我们使用自动翻译系统进行英文和中文翻译。
请按 X 按钮前往该网站。


放送事業に加え、演劇やミュージカルなどの舞台製作もおこなっている株式会社フジテレビジョン。従来は大劇場から中劇場規模の作品を多く手がけてきた同社だが「KAATキッズプログラム」として初演された『くるみ割り人形外伝』の再演版は、約400席の新国立劇場小劇場が会場となった。担当プロデューサーの井上里桜氏に子ども(4歳~)を対象とした作品製作について伺った。
取材日:2025年10月7日
取材・文:上村由紀子
――今回の公演(再演)が実施された経緯を教えてください。
作・演出の根本宗子さんサイドから『くるみ割り人形外伝』を再演のお話をいただきしたいとのお話をいただき、弊社が主催に入って、KAAT(神奈川芸術劇場)での初演版をブラッシュアップする形で再演することとなりました。
――フジテレビ主催の舞台作品というと、大劇場から中劇場での公演が多い印象もあります。プロデューサーとして小劇場での作品を担当なさっていかがでしたか?
私自身、小劇場での作品を担当するのは初めての経験だったのですが、それまで携わってきた大劇場のミュージカルとはいろいろなことが異なると感じました。大劇場作品の場合、スタッフだけで100人規模になるものも多く、プロデューサーとはいえ、カンパニー全員の名前と仕事内容を完璧に把握した状態で千秋楽を迎えることは難しいです。ですが今回は、少人数の座組だったため、作品を良くするためのスタッフさんからのご意見などもしっかり聞くことができましたし、現場が少し無理をすることでなんとか進行できているような状況に対して、私たち製作側からも予算を含めた細かい改善の提案などすることが叶いました。
――お子さんの来場も多かったと思います。子どもたちの反応などで印象に残っているものがあればぜひ。
ロビーに設置したクリスマスツリーに、お子さんが書いたイラストやコメントをオーナメントのように飾ってもらう試みも実施したのですが、それが大変好評で、子どもたちが嬉しそうにしている姿が今でも胸に残っています。また、物販コーナーで出演者でもあるチャラン・ポ・ランタンさんの小さなアコーディオンを販売したところ、終演後、小さな女の子がすぐ封を開けて本当に楽しそうに弾いてくれたんです。彼女にとって、この日の観劇体験がずっと忘れられないものになるのだろうと感じ、本企画に関わってよかったと心から思いました。プロデューサーとしてこの作品に参加できたことは、今後の自分のキャリアに多大な影響を与える経験になったと思っています。
――開幕してからの運営で特に気を付けたのはどんな点でしょう。
大人の観劇マナーとは少し違うモードで子どもたちに舞台を楽しんで欲しいと考え、スタッフ間でその共通認識をもって運営にあたりました。具体的には上演中のおしゃべりなどを強く禁止する方針ではなく、お子さんになるべく自由に作品を観てもらえるよう、劇場の案内係さんにもその旨を事前にお伝えしました。万が一、アクシデントなどがあったときは対応するつもりでしたが、特に大きな混乱などはなく、笑い声の多い明るくにぎやかな客席だったと思います。また、ブランケットや、身長120㎝以下のお客さまに座面を上げるクッションの貸し出しなどもおこないました。
――公演の広報、宣伝活動などはどうしましたか?
事前に幼稚園や子どもの多い施設などでワークショップをおこない、公演のことを知ってもらえればベストだったのですが、今回は準備期間が短かったこともあり、私自身がチラシを持ってバレエ教室やミュージカル関係のスクールなどに配って歩きました。この作品はどうしても多くの方に観ていただきたいという想いが強く、自分の出身校はもちろん、出演者やスタッフさんの出身校にまでチラシを持ってうかがったくらいです(笑)。
――井上さんは入社後、舞台製作とは別の部署にいらっしゃったそうですね。
学生時代から演劇やミュージカルを多く観てきたこともあり、舞台の製作をしたくて現在の会社に入社したのですが、最初に配属されたのが営業局部で、そこではCM関連の業務を担当していました。その後、異動になり、現在はイベント事業部で舞台製作などの業務にあたっています。
――プロデューサーとして、舞台芸術業界におけるご自身の課題はどこにあると思われますか?
演劇やミュージカルなどの舞台芸術は非日常性も高いため、生活の中でスペシャルなイベントになることも理解していますが、なんとかして観劇の敷居を下げたい、観客のすそ野を広げていきたいと学生時代から考え、自分なりに活動もしてきました。気軽に映画を観に行けるのと同じく、舞台芸術が日常と地続きの場所にある状態にしていくためには、従来のファンを大切にすることと同時に、より多くの方にまずその存在を知ってもらうことが必要だと考えています。
――舞台製作者としての活動を長く続けていくために必要なことはなんでしょう。
まずは「この作品を多くの人に届けたい、観てほしい」との強い想いだと感じます。会社に所属していますと、どうしてもビジネスとしての利益や予算などに縛られてしまいがちですが、自分が担当する作品を愛していればそれがモチベーションとなって、この世界に長くかかわっていけるのではないでしょうか。
――今後、井上さんがプロデュースしたい作品などありましたら教えてください。
子どもも大人も楽しめる作品をまた作りたいです。観劇人口のすそ野を広げる話とも重なりますが、その人が幼少時になにを観たか、どんな体験をしたかということが、その後のエンターテインメントとの接し方に影響を与えると思っています。今回『くるみ割り人形外伝』を担当したことで、子どもたちに良質な作品を届けたいとの想いがより強くなりました。
株式会社フジテレビジョン
イベント事業局 イベント事業部
プロデューサー
井上里桜(いのうえ・りお)
2022年、フジテレビに新卒入社。
入社1年目は営業局にてCM業務に従事。2年目よりイベント事業局へ異動し、ミュージカル作品のアシスタントプロデューサーとして制作・運営に携わる。2025年からはプロデューサーとして企画業務を担当。これまでに携わった作品には「キャッチミー・イフ・ユー・キャン(2024)」「ウェイトレス(2025)」「ホリデイ・イン(2025)」などがある。
「日本の演劇」未来プロジェクト 対象公演
2025年8月23日~31日 東京都 新国立劇場 小劇場

