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2013年末、高校の演劇科に在学する藤井颯太郎が旗揚げした幻灯劇場。京都を拠点としながら、関西と関東に住む専門性が多様なメンバーにより大阪・兵庫・東京・韓国などで公演をおこなってきた。今回、俳優であり振付家・演出家・作家、また幻灯劇場では制作フォローを担う中尾多福氏に、地域を超えてひとつのカンパニーとして創作することについて伺った。
取材日:2025年10月28日
取材・文:丘田ミイ子
――まず、中尾さんと幻灯劇場の出会いと劇団内でのセクションや役割を教えて下さい。
私は過去作のキャストオーディションと出演がきっかけで、2022年9月に幻灯劇場に入団しました。主に俳優として公演に出演をしているのですが、入団を機に制作面のフォローも行うようになり、助成金申請や清算をはじめとする劇団の運営にも携わるようになりました。幻灯劇場には劇作家や映像作家、俳優やダンサーや写真家など多様な表現者が集っており、それぞれの得意分野を活かしつつ横断した役割を担っています。そのため、キャストや制作と並行して小道具など他のセクションに入るということもあります。
――みなさんが多様な視点で劇団や公演を見つめていらっしゃるのですね。拠点以外の場所で公演を行う上で心がけたことはどんなことでしょうか?
『Waltz for Daddy』では拠点の京都と東京の二都市で公演を行ったのですが、「認知の差」をどう埋めるかということについてはすごく考えさせられました。団体を知ってくださっている観客の方が多く、比較的集客がしやすかった京都に比べて、東京公演では直前まで苦戦をしました。これといった解決策が見つかったわけではないのですが、作・演出の藤井が開幕前にXで東京の演劇好きの方に向けて発信した「もしデートをすっぽかされたり、電車を一本逃したり、炊飯ボタンを押し忘れてしまったりしたら、恵比寿エコー劇場で上演している『Waltz for Daddy』という芝居を観てみませんか?」といった投稿には結構な反響があって……。SNSを運用して、他地域に向けた劇団の情報や作家の言葉を発信したり、東京でできた人との繋がりや広がりを活かしたり、オンライン/オフライン両面でのアプローチを改めて考えるきっかけにもなりました。東京での上演はそう頻繁にできるわけではないので、上演のシーズン以外でも団体を忘れられないような発信、次回の展開を期待してもらえるようなPRが必要だと感じます。
――地域を横断したクリエーションの過程で感じたことや気づきはありましたか?
メンバーが関西と関東に分かれて暮らしていることもあり、俳優も半分が入れ替わる形で稽古・上演を行いました。その上でイメージを引き継いだり、すり合わせたりする「共有」には奮闘しましたね。先発の京都公演組は原作の小説を演劇に立ち上げるところから参加をしているのですが、東京公演から出演となったメンバーはそのプロセスを踏まずに同じ風景を立ち上げなくてはならなくて……。そしてそれはキャストだけでなく音響や照明などにも言えることで、スタッフさんにもあの手この手で尽力していただきましたし、東京のスタッフさんとの新たな出会いは幻灯劇場の今後にとってもかけがえのないものになりました。「今後東京で公演する時には条件に合いそうな劇場を教えるから気軽に相談してね」と言ってもらえたことも嬉しかったですね。観客の方も含めた新たな出会いや繋がり。それこそが拠点以外の上演を通じて最も意義深く感じていることかもしれないです。
――まさに地域を横断した繋がりですね。そうした演劇のネットワークについて「こんな場や機会があったらいいな」と感じていることはありますか?
東京で数ヶ月を過ごす中で私がまず驚いたのは、劇場に置かれているチラシ束の分厚さ。短期間にこれだけの公演があることに改めてびっくりしましたし、ネットだけでは情報を拾い切れていないことも痛感しました。その中から気になる公演をいくつか観に行ったのですが、そこで幻灯劇場のチラシを目にする機会は少なくて……。それこそネットワークの問題だと思うのですが、自分たちと親和性のありそうな団体や作品や劇場、そことの繋がり方が正直まだわからないんですよね。関西や他地域から出てきた団体が東京の劇団間にすでに生まれている関係や交流の情報をキャッチしたり、ネットワークやコミュニケーションにアクセスすることはまだまだ難しいと感じました。例えば同世代の劇団であるとか、そういった横のつながりが生まれる場があると有難いですし、今回の公演を機に拠点外での足場づくりをより意識したいと思いました。
――今後の劇団としてのビジョン、拠点以外の地域でも上演を行う劇団として描いている展望はありますか?
京都と東京の2都市で本公演を上演することの背景には「出演したい人が全員出られるように」という劇団としての意向もあり、それを達成できたことは劇団の成長としても非常に大きかったと感じています。同時に、今後は劇団の特質を活かして、それぞれの地域に分かれてフレキシブルに公演を行ってもいいのではないかなとも考えていて……。例えば、ダンサーと音楽家によるミニマムな公演を京都でしてもいいし、それと同時期に東京で別の公演をしてもいい。そんな風に同時多発的に地域を横断して幻灯劇場が上演している状態が作れたら、地域拠点の劇団モデルとしても面白い展開になるんじゃないかなと思っています。作家が複数いることや、ジャンルを横断した表現者が同じ団体に所属していること、そして何よりそんなメンバーが複数の地域に住んでいること自体を「強み」と捉えて、今後も地域を横断した演劇活動の新たな可能性を模索していきたいです。
幻灯劇場
俳優・振付家・演出家・作家
中尾多福(なかお・たふく)
1998年生まれ、大阪府出身。クラシックバレエと落語に漬かりながら育ち、高校生から劇作や俳優として演劇に携わり始め、一人芝居『せかいのはじめ』で2017年大阪短編学生演劇祭最優秀賞、観客MVP役者賞、審査員MVP役者賞を受賞。2022年に幻灯劇場に入団。近年の主な出演作品に幻灯劇場『鬱憤』『フィストダイバー』、劇団不労社『MUMBLE-モグモグ・モゴモゴ-』、泊まれる演劇『QUEEN'SMOTEL』など。
「日本の演劇」未来プロジェクト 参加公演
2025年10月23日~26日 東京都 恵比寿・エコー劇場

